第七章 種族は違えど想いは同じ
これまでお伝えしてきた「桜ヶ池クエスト」は、
見習い勇者ソーマによる冒険談が主であったが、実は裏で真面目な事もやっている。
「桜ヶ池クエスト実行委員会」とは、このプロジェクトの根幹を成す組織であり、
いわば「五人の勇者達」は、この組織の元で活動している訳である。
参加しているのは以下の企業、行政、団体となる。
・株式会社つなぐ南砺
・株式会社P.A.WORKS
・PARUS
・南砺市
・南砺市造園組合
初総会なので、まずは役職決めからスタート。
会長
堀川憲司(P.A.WORKS)
副会長①
山瀬悦朗(つなぐ南砺)
副会長②
南砺市ブランド戦略部 部長(本日は代理出席の2名)
事務局長
市川哲也(つなぐ南砺)
桜ヶ池クエスト企画責任者
相馬紹二(P.A.WORKS)
その他、監査などの役員決めに始まり、
募金で集まった予算の使い道の報告、そして、今後の整備計画の確認へと進んでいく。
山「若い人が中心にここを盛り上げてくれるのは喜ばしいこと。地元の方の中には、色んな事が出来る人間がいますから、何かあれば、言ってくれれば紹介やお手伝いしますよ」
市「市としても賑わい創出につながるこの活動には大変期待しています」
相「アニメファンの方のみではなく、本当の意味で地域の方も巻き込んでいく活動になれるように考えていければと思っています」
仲「先日のキックオフイベントでの募金に加えて、ネットでの募金も継続的に頂いておりますので、来期以降の予算計画も今後立てていく予定です」
こうして、初総会は無事に終わったのだった。
しかし…
私がこの総会の間、頭の中で妄想していたのは以下のような事であった。
初のギルド会議なので、まずは任命式。
長老
ホーリー(桜ヶ池に出現する高位魔法使い)
元老院①
ゴッドヤマ(地域のまとめ役。顔が広い)
元老院②
ナント村 右の者と左の者(ミキ王に仕える者たち)
自遊の森の守護者
森の人(桜の苗木を見守り続ける男)
夜明けのギルド団長
見習い勇者ソーマ(聖剣に選ばれしもの)
桜を救うべく集まった我々であったが、この日の会議はのっけから紛糾した。
ゴ「ナーマフジロ、ルガンブレ、レキロギュシロエ!!」
左「マナンダ!!ブランチョギル、ナッパンルンベ!!」
ソ「何を話してるのか全然わからん…」
ナ「こんなやつが勇者で本当に大丈夫なのか?と」
ソ「種族は違えど、我らが桜の木を想う気持ちは変わらぬ。と伝えてくれ」
こうして初ギルド会議は無事に終わったのだった。
ゴ「ラン、ルバンウルリャウヤリア(俺も、もう少し若けりゃ勇者やってたかもなぁ)」
ゴ「ルーヤクンムリア、アフリヤッフア、アデュスアオアッハ(夏は暑いすぎて無理やけど、秋になったら、あの辺の雑木は切って間引きせなあかん)」
ゴ「アラ、ムロマジコム(今度、また飲みにいこうや」
ゴッドヤマが なかまに くわわった
次回
我々の活動が認められ、巨大壁画を飾りたいという話が舞い込む。
果たして壁画とはいったい?