第十二章 真実の果実
前回、まったく内容のない冒険録をアップしたにもかかわらず、
なぜかtwitterでは「109いいね」も、ポチられていることに衝撃を覚えつつ、
ようやく前々回の続きである、イベント反省会&新展開へと。
ソ「ということで、1週間ぶりの定例会議を始めます」
森「ソーマ君、先週、誰もいないのにここ来ちゃったんでしょ?(笑)」
ソ「違うし。俺は真面目だから、1人でイベントの反省点をまとめようと思ったんだし」
ナ「真面目とかどの口が…休みなの、忘れてただけでしょ」
サ「ちなみに、見習い勇者的な総評はどうなんです?」
ソ「総合すると60点かな」
ナ「割と辛めですね」
森「俺、あんなにそうめん茹で続けて頑張ったのに!!」
サ「私は普通にBBQ食べておいしかったです」
森「ソーマ君、こいつヤッちまっていい?」
ナ「参加してくださった人達の満足度は高かったと思いますし、また来たいと仰ってた方も多かったですよ」
ソ「いや、もちろんそれは分かってる…ただ、イベントレポートでもまとめたように、この先どうしようかなって」
森「というと?」
ソ「例えば、キツネの娘はどう感じた?」
キ「ん~1回のイベントとしては良かったですけど、参加者の方は全員アニメファンの方で、地域の方の参加感がなかったのと、恐らく今後、女子の参加は絶望的かと」
サ「リアルな意見…」
ナ「まぁ、仰るとおりね…」
ソ「やっぱ、そうだよな。1回目のイベントに参加して下さった方には感謝しかないし、是非、今後もご協力をお願いしたいと思う。ただ、これが2回、3回、4回…と同じような感じが続くとしたら、地域の方を巻き込んでいる感はまったく無くなる」
キ「そうですね。それだと活動趣旨ともずれていくことになります」
ソ「少しずつでもいいから、参加者の比率として地元の方の割合を増やしていかないと」
森「え、なにこのシリアスな感じ。俺、帰っていい?」
キ「あと、まだまだ地域への説明や認知が足りていないと思います。たぶん、ナント村の人達に聞いても桜ヶ池クエストってなに?ってなると思うんです」
森「あぁ…聞きたくない…」
ナ「ボディブロー…」
ソ「…」
サ「見習い勇者、どうしますか?」
ソ「きっと探せてないんだ」
ナ「何がです?」
ソ「新しいルートだよ。もしRPGゲームの世界で次の行先を見失ったら、どうする?」
森「攻略サイト見る」
ソ「攻略サイトが無かったら?」
森「youtubeで攻略動画見る」
ナ「森の人、自分で頑張る気まったくないやん」
キ「…片っ端から村人と話す」
ソ「アメイジング!」
ソ「結局のところ、余所者である俺らに一番足りてないのは、人脈と接点だと思う」
森「分かるけど、片っ端から話すって誰と話すの?」
キ「商工会とか青年会とか、地域の中で中心的に動いてる人たちとか?」
ナ「観光協会とか行政とか?」
サ「桜ヶ池という地域にも町内会や地区組織がいくつかありますね」
森「いったいどこから声かけりゃいいんだ!!」
キ「色々、声掛けの順番とかあったりするのかな…?」
ソ「ローラー作戦じゃダメなの?」
サ「いや!それは危険な気が!」
ソ「だって、順番とかメンドクサイんだもん」
森「あとで色々言われたら、全部、見習い勇者のせいですって言っていい?」
ソ「別にいいよ。こないだも俺のこと、長老に捧げたくせに!」
森「なんのことかワカラナイな」
サ「変にハレーション起こしても仕方ないですし、まず僕らが誰に声かけれるのかを、洗い出すとこから始めてはどうですか?」
ナ「確かに、そもそも誰がいらっしゃるのか調べないと始まらないですしね」
ソ「よし。じゃあ全員宿題。誰に声をかければいいか、考えうる限り洗い出して、1回リスト化してみよう」
4人「は~い」
ソ「じゃあ次。根本的な問題を見つけた」
サ「何ですか?」
ソ「新しい“食”が必要だ」
森「俺が茹でたそうめんの量じゃ足りないと?もっと茹で続けろと?それはちょっと…」
ソ「ちがう…そうじゃない。そもそも考えて見て欲しい。そうめんって桜ヶ池と何か関係あるか?」
ナ「…」
キ「…」
森「…」
サ「…何もないですね」
ソ「だろ!?よろこぶそうめんは確かにおいしいし、これからも作るけど、あくまでも“サクラクエスト”での料理であって、“桜ヶ池クエスト”の料理じゃなくね?」
ナ「まぁ、確かに言われてみれば」
ソ「だから、俺たちは俺たちのオリジナル料理を作ってみたいんだよ。地元の食材を使って。これからもイベントは秋、冬、春と毎年続く訳だし、それぞれの季節にあったものを用意したい」
サ「なるほど。地元農家の方とのパイプを作る上でも、それは良いかもしれませんね」
ソ「でしょでしょ?よし!決めた。題して、桜ヶ池3分クッキング企画を発動する!」
森「3分なんだ…」
ソ「桜ヶ池といえば、特産の食材は何っ!?」
30分後。
ナ「じゃがいも」
キ「にんじん」
森「たまねぎ」
サ「…全部、特産じゃないですね」
ソ「カレー…かな…」
次回 地域の食材を活かしたオリジナル料理を作る為、プロの方の意見を聞くことに。
料理の鉄人は見つかるのか?