LOADING...
2020. 4. 10

第四十六章 約束の地へ

勇tubeでの衝撃の発表から少しあと。

勇者ソーマの姿は桜ヶ池の湖畔にあった。

ナ「急に桜ヶ池行こうってどうしたん?」

ソ「ん、ちょっと自遊の森を見に行こうと思って」

今年も桜ヶ池の公園周りには綺麗な桜が咲いている。

残念な事にコロナウイルスの影響でお花見客はいないが。

ソ「募金で植樹した桜、咲いてる!」

ナ「ホンマや。今年は見に来られへんやろうから、写真で撮ってお伝えせな」

去年のFire Festivalの際に募金して頂いて植樹された桜は無事に花を咲かせていた。

満開という訳にはいかないが、一安心。

皆さんの桜は無事に咲いてますよ。ありがとうございました!

ヤギ小屋があった場所は綺麗さっぱり何も無くなっていた。

ソ「ホンマに何もないやん」

ナ「解体するときは早いからな~」

我らがはじまりの木の様子を確認。

ソ「あれ…桜咲いてない…」

ナ「森の人が言うには、今年は暖冬やったから寒さが足りんくて開花せんかったんじゃないかって」

あとで確認したが、枯れているとかではなく、先述の通り花が咲かなかっただけのようで、

若葉の芽は大量に出ているので、来年に期待か。でも背は高くなってるから順調。

ちょとこれは高圧洗浄機で掃除する必要があるが…。

ソ「マジで閉じたんやな、自遊の森」

ナ「うん…」

思い返せば2年前。

華やかなキックスタートイベントから始まった「桜ヶ池クエスト」

活動拠点としてこの地を指定した訳で、初めて森の人と出会ったのもこの場所だ。

数々のクエストをしてきたし、いつもギルド団で集まってきた思い出の地。

我々は今、拠点を完全に失ってしまった。

平然と装ってはいるものの、これからどうしていけばいいんだ…。

声「やっぱりね、あいつがまともなクエストなんて出来るはずないんだ」

声「だって勇者ソーマだし」

声「勇者ソーマだからねぇ」

声「所詮、勇者ソーマ」

声「いやークエスト受けなくてよかった」

声「俺はこうなること分かってたよ、だって勇者ソーマだもん」

ソ「もう…おしまい」

謎「せーの、甘ったれるなー」

人形「な~に、辛気臭いこと思い出してんのさ」

熊「終わったわけじゃないよ。むしろこれから」

人形「勇者なんだろ!しっかりしろい!」

人形「勇者が大切にしなきゃいけないものは何?」

熊「考えるんだよ、勇者」

ソ「よそ者…若者…馬鹿者…」

人形「よしっ」

熊「まだある」

人形「えっ?」

熊「勇者にとって一番大事なこと、それはクエストを続ける事」

熊「そして、成長していく桜の木をみんなに見てもらうことだ」

私はどこからか現れた西洋人形と熊に頭を叩かれ幻影を見ていたのかもしれない。

しかし、熊が言った言葉だけはしっかりと記憶に残っている。

こんなところで諦めちゃいけない。

よく考えてみろ、たった一人で始めて何もない所からやってきたんじゃないか。

何もないと言えば…。

あれ?こんなところに何もない空き地があるじゃん。

何も無いなら、勇者に活用を任せてもらえないかな? 桜の木も移植できないかな?

よし、決めた!

拠点が無ければ、自分たちで作ればいい!

ということで、今日からこの地を「約束の地」と命名し、ギルド団員たちのリユニオンの地とする。

 

題して…

桜ヶ池クエスト新章

勇者たちがどうぶつの〇の開拓始めてみました。

5月末より、開拓開始!!

 

次回

ついに勇者達にもテレワークが始まります。

コロナの猛威に耐え抜けるのか。