第五十八章 あらたな旅路
前回、桜ヶ池の整備育成を維持しつつ、新しい取り組みとして、
「約束の地」開拓事業へ乗り出す事にした勇者達。
開拓と言っても何を始めるのか?
そもそも「約束の地」とは、皆さん言わなくて分かる通り、P.A.WORKSの裏手にある空き地です。
現在、この地はナント村よりお借りしている状態であり、魔法の言葉”賑わい創出”の為に活用される予定となっている。
ちなみに、先日、冬の間の対策として縛っておいた枝を開放致しました。
イイ感じに年季入ってきました。
無事に冬を越して、つぼみが一杯見えます。
去年は暖冬でまったく咲きませんでしたが、今年は期待大。
問題は…。
募金で植樹した桜ですが、今年の大雪で、枝がバッキバキに折れておりました…。
急遽、タカタシャチョーにお願いして、もう逝ってしまった枝は切り落とし、生き残った生命力の強い枝だけ残しました。
こちらも順調に新芽が見えるので、今後に期待。
もし万策尽きてしまったら、知らない間に見たことない木に変わっているかもしれませんが、
その時は察してください。
ということで、定例会議。
ソ「”賑わい創出”の為に裏の空き地で何かやるとして、何があるかしら?」
キ「究極召喚魔法”賑わい創出”ですからね。そもそも定義が分かりません」
リ「うちのボスがボードウォークとかどだろうって言ってましたぜ」
ソ「いや~絶対アカンて。それ結果見えてるやろ」
何か作って人を呼ぶ案については、過去にも冗談交じりに色々検討はされてきた。
例えば、風車とか、人口川とか、憩いの広場とか、勇者たちの家とか。
でも、私だって3年間もこういう活動してきたら流石に分かってますよ。
皆さんも、もうお分かりだと思いますが、そういうのは絶対失敗します。
だって、既に桜ヶ池にある施設がそれを物語ってるじゃないですか。
たぶん施設が整備された当時は綺麗だし、人目も引いたのかもしれません。
でも、維持が出来ず、朽ちていき、壊す事すら出来ずに逆に景観を悪くしてしまっている。
いうなれば桜ヶ池は今や「見捨てられた地」なのです。
我々が、また同じ轍を踏むわけにはいかない。
キ「まぁソーマさんの言う通りですよね。こんなとこにボードウォーク作っても、見るものないのに誰が来るの?って言う」
相変わらず、キツネの娘は容赦がない。こんなところは可哀そうやで。
リ「ですよね~。ボスに言っておきます」
最近、リリコも若干、毒舌になってきてて怖い。
ナ「観光するような場所じゃないのは確かやね。ソーマさんは何作りたいの?」
ソ「釣り堀!!!!!!!!!」
ナ「アカンわ、こいつ」
ソ「釣り堀の効果をみんな甘く見過ぎや!!!絶対に人来るから!!!」
ナ「どこにそんな工事費あんねん」
ソ「クラウドファンディングとかで…ごにょごにょ」
キ「てか、すぐ近くに大きな池あるのに、ここに釣り堀作る意味なくないですか?」
ソ「…いいよ。そのうち子供用プールで作るから」
ナ「募金1000万ぐらい集まったらな」
とまぁ、こんな感じの会議を何回か繰り替えているのだが、1つだけ分かっているのは、
これまでの経験上、人が来る理由は1つはしかない。
それは”食”である。
ソ「本気で人がある程度来てくれる場所にするなら、釣り堀以外なら1つしかない。BBQとキャンプ」
リ「えええ~あのリア充たちの祭典ですか?」
ソ「そうや。リア充たちの祭典の場をここに作るんや」
キ「BBQはまだしも、キャンプ地としてどうなんですかね…」
ナ「まぁ自遊の森が閉鎖した今、この近隣でBBQとキャンプは確かに無いから、競合はしないけど」
ソ「だってもうPARUSでBBQやってるんでしょ?」
聞いた話だと、昨年からひっそりとBBQサービスを始めたらしい。
あまり大々的に宣伝はしていないので、プレオープン的にしかやっていないようだが。
※注意 写真はイメージです。
リ「一応やってますけど…かなり簡易のものですよ」
ソ「だから、それを俺たちで作ればいいんだよ。おしゃんてぃなBBQ&キャンプ場にしようぜ!」
ナ「それ誰が運営するの?俺らボランティアやで」
ソ「そりゃ運営は出来んよ。運営はサコディがPARUSでやればいい。”賑わい創出”の為の事業や」
リ「ああ…ってことは、こっちに回ってくる案件ですね」
キ「お疲れ様…」
こうしてPARUSのボス不在のまま、約束の地をBBQ&キャンプ場に開拓しよう計画は決定されたのであった。
次回
開拓計画推進の為、フィールドマスターを召喚。
果たして、1年で約束の地は生まれ変われるのか?