第六十四章 罪と罰
とある日、勇者ソーマの姿は教会の告解室にあった。
司祭「父と子と精霊のみ名によって、アーメン」
ソ「アーメン」
司祭「回心を呼び掛けておられる神の声に心を開いて下さい。神のいつくしみに信頼して、あなたの罪を告白してください」
ソ「はい…私は、桜ヶ池クエストで、募金で植樹された桜の木を危機的状況に陥れてしまいました…」
司祭「危機的状況とはどういった事ですか?詳しくお願いします」
私たちは、約束の地に植えられた、桜の木の管理をしています。
先日の開拓の日、桜の木に元気が無かったので、私が肥料を撒いたのです。
https://twitter.com/sakuragaike_q/status/1428919735693942786?s=20
ソ「少し手元が滑って、1つ目の、はじまりの木に肥料を入れすぎた感はありました」
司祭「それであなたはどうしたのですか?」
ソ「ま、ちょっとぐらい多くても大丈夫だろう!」と次にいきました
(間違い①)
先ほど、肥料を多く撒き過ぎたので、袋の中身はかなり減っていました。
それでも、まだ肥料はかなりの量残っていたと思います。2つ目の募金の木にやってきました。
司祭「それであなたはどうしたのですか?」
ソ「少しだけ残しても仕方ないし、全部撒いちゃえ~!」(間違い②)
司祭「その結果、何が起きたのですか?」
これが約2週間前の募金の木。
募金の木はすくすく元気。 pic.twitter.com/b7xR5hPSli
— 「桜ヶ池クエスト」開拓始めました。 (@sakuragaike_q) August 21, 2021
これが昨日の募金の木です…。
司祭「oh…何たる事でしょう…見事に落葉していますね」
ソ「はい…焦って、タカダシャチョーに来てもらいました。そしたら、根元に散乱した白い粒を見て、こういわれました」
このサイズに対して肥料やりすぎですね。
司祭「なるほど。どこからどうみても、あなたのせいですね」
ソ「タカダさんは仰いました。肥料は5~6月などの涼しい間に、少量ずつ定期的に撒かないとダメなんです。と」
司祭「あなたはどうしたのでしたっけ?」
7~8月のクソ暑いカンカン照りの日に、
大量に一気に撒きました。(間違い③④⑤⑥)
司祭「oh…何もかもが…ナニモカモが間違っていますね」
ソ「知識が無いにも程があります。そして、罪はこれだけでは無いのです」
司祭「なんですか?」
ソ「このままだと枯れる可能性もあると言われ、怖くなった私は…」
司祭「どうしたのですか?」
ソ「秘かに2号木にすり替えようと思ってしまいました…」
司祭「oh…あなたは最低の勇者ですね」
ソ「でも、仲間に止められました…何とか枯れないように最善を尽くすつもりです…」
司祭「それがいいでしょう。もし、本当に枯れてしまった場合は、罪を隠さず、世間に打ち明けなさい」
ソ「はい…」
司祭「ところで、同じことをした、はじまりの木は大丈夫なのですか?」
ソ「幸い、はじまりの木は大きかったので、今のところ大丈夫です。肥料も除去しました」
司祭「はじまりの木が枯れてしまったら…あなたはどうするつもりですか?」
ソ「それは…それだけは絶対に……」
司祭「絶対に?」
ソ「2号木に植え替えます」
司祭「oh…あなた何も学習していませんね。おバカですね」
ソ「ウ、ウソです!自らの罪を受け入れ、多くの関係者の方に誠心誠意、謝罪するつもりです」
司祭「それがいいでしょう。正直、枯れたら全然笑えない事態ですからね」
ソ「はい…」
司祭「早くお行きなさい。一刻も早く、桜の木を救うのです」
ソ「司祭様…わたしは許されるのでしょうか?」
司祭「…たとえ神がお許しになったとしても、ファンは許さないでしょう。磔の上、饅頭を投げつけられます」
ソ「Ah…なんという恐ろしい罰…」
司祭「今、私だけは…父と子と精霊のみ名によって、あなたの罪を許しましょう、アーメン」
ソ「アーメン」
桜ケ池クエスト関係者の皆様
真面目な話、現在、高田造園さんに最善を尽くして頂いております。
状況は逐次包み隠さずにご報告させて頂きます。
今回は私の植物への無知ゆえの行動により、桜の木を危機に晒しました事、深くお詫び申し上げます。
本当に申し訳ありませんでした。
勇者ソーマ