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2019. 5. 17

第三十四章 桜ヶ池クエスト2

怒涛の「FIRE FESTIVAL」も無事に終わり、

すっかり、はじまりの木も青々とした葉をつけた5月。

ちょうど、昨年のキックスタートイベントから1年が経った事になる訳だが、

見習い勇者ソーマから、緊急招集がかかった。

ソ「みんな、お疲れ。今日は一つ提案したいことがある」

森「FIRE FESTIVAL終わったばっかりなんだから、ゆっくりしようよー」

ナ「そうですよ。みんな疲れてるし」

サ「そうだ、そうだー!!」

キ「だるい」

ソ「別に大変な事をしようって訳じゃなくて、ソーカツしようと思って」

森「ソーカツ?」

ナ「総括か」

サ「何を総括するんですか?イベントの総括?」

ソ「違う。この1年の総括」

キ「大変そう…」

ソ「奇跡的に、このおやじ集団+キツネ面のチームで1年持った訳だし、年間活動を見直してみたいのよね」

ナ「それなら、一緒にこないだのイベントの収支の件も含めてやりたいです。ちょと問題もあるので…」

森「ウソやん…問題は聞きたくないんやけど…」

 

ということで、珍しく真面目な見習い勇者ソーマ発案のもと、この1年の活動を振り返りつつ、

以下の4点について見直しを行ってみた。

 

活動の方向性について再確認

年間スケジュールの見直し

お金の使い方(桜整備費・クエスト毎の収支・返礼品など)

④長期ビジョン(ビジョン5年,10年,15年,20年,25年)クリア条件

 

ソ「まずは、活動自体の方向性なんだけど、大きくは2つあると思うのね」

森「桜の木の整備維持と、地域のにぎわい創出かな」

ソ「そう。で、それは変えるつもりないんだけど、課題ってあるかね?」

サ「感じるのは、やはり活動趣旨への認知度が低いって事じゃないですかね」

キ「こないだのイベントも、一般の方も来られてましたけど、活動の内容についてはまったく理解されてなかったです。あと、桜の木の整備活動という割に、エンタメ性が強すぎる気もします。それと前から言ってますけど、なんかクリア目標がないと、整備維持していくにしても、モチベーションが保てないかと」

相変わらず、キツネの娘の容赦ない的確な意見が胸に刺さる。

ナ「あとね…報告しますけど、整備活動の維持費が割と厳しい事になってます」

森「えっ、こないだのイベントでも40万近く集まったんだよね?」

ナ「はい。でも、イベント自体の運営費もあるので、それを引くと半分ぐらいになります」

森「てことは、今年の整備活動に使うと、また減るから…」

ナ「試算してみたけど、このペースでやっていくと、今ある募金を切り崩していっても、3年後に資金は底を尽くと思う」

更に容赦ないナカムラのリアルマネー報告。お金は嘘をつかないとはこのことである。

サ「ソーマさん、この活動25年続けるって言ってましたよね…」

キ「年々ナンバリングを増やしていくって言ってましたけど、桜ヶ池クエスト3でGAMEOVERフラグ」

森「マジかよ…チートとかないの?大富豪が現れるとか」

ナ「そんなんあるか!」

ここで黙っていた見習い勇者ソーマが口を開く。

ソ「…要はさ、お金かけなきゃいいんじゃね?」

キ「どういうことです?」

ソ「認知度が低い問題については、まだ仕方ないと思ってるのね。それでもこの1年で徐々に広がってるし、継続することで理解は広まっていくし、宣伝広報は今年も力入れていこうと思うけど、お金の問題は、これ以上は無理やと思う」

サ「募金自体をやめるってことですか?」

ソ「いや、やめはしないけど、現状で、これ以上沢山集めるのは難しいという意味。こないだのイベント見ればわかるけど、今だって相当心優しい方々に支えてもらってる感があるのに、これ以上、高額の募金を募るのは忍びない」

サ「でも、お金を払っても良いと満足できるような返礼品なら、出したいという意見も出てましたよ」

ソ「それも分かる。でも、その返礼品を作る為に、また予算がかかるし、労力もかかる。今の俺らにその余裕はない」

キ「珍しい…ソーマさんが超まともな意見」

森「出来ればFIRE FESTIVALをやる前に気付いてくれればベストやったけどな…」

ソ「なので、整備活動費自体を見直して、ミニマムでも長期的に続けられる運営に切り替えたい」

サ「確かに、今までは募金を集めて整備は業者さんに頼む。というのが基本的な考えですけど、それを見直せばだいぶ変わるでしょうね」

ソ「でしょ?業者さんに全て任すのではなく、ほとんどの整備を自分達でやればいいんだよ」

森「そっちかい!!!」

ナ「また別の方向に大変になってるし…」

キ「労働好きですね…」

ということで、この議題は以下にまとまった。

 

☆整備のクリア目標を設定して、段階的に整備していく。

☆お金を集める仕組みを考えるよりも、参加者の満足度を上げることに注力する。

☆地域の方との交流を求める参加者に答えるべく、我々が橋渡し役となる。

 

ソ「次、年間スケジュールだけど、年4回のクエストはそのままでおk?」

森「おkなんだけど、一つ提案がある。もし自分達で整備する機会を増やすなら、夏のコケ取りと冬の会議はやめたい」

ソ「やめてどうすんの?」

森「変則になるけど、4月は花見でいいけど、7月・9月・11月は作業をしたい」

ナ「冬はなんも出来ないから、雪が降る前に作業する回数を増やすってことか」

森「あと、FIRE FESTIVALも見直したい。規模がデカすぎて労力的に毎年やるのは厳しいかな…」

ソ「ウソやん…楽しかったのに…」

サ「ソーマさんは縛られてただけだからいいけど、我々は大変だったんです!」

ソ「俺だって、縛られてただけちゃうわ!」

森「でも、生ビール隠れて飲んでただろ!」

ナ「規模縮小は賛成かな。さっきも言うたけど、イベントが大きくなればなるほど運営費が上がっていくので、せっかく募金が集まっても、それで半分になってしまっては意味がないので…」

キ「火は起こしたいな…」

ソ「!!!」

キツネの娘の一言によって以下に決定。

☆今年の活動は、7月・9月・11月に変更し、内容も整備要素を強める。

☆春のイベントは継続するが、規模を縮小する。ただ、「火」を囲むコンセプトは変えない。

☆一年かけて処理した雑木を燃やす。などストーリーを作る。

ソ「続いて、お金の状況」

ナカムラよりの説明があったので、以下がざっくりとした内容。

・この1年間の募金総額が約130万円(キックオフイベント80万円、ネット募金15万円、現地募金で35万円)

ソ「現地募金が結構な額いってるね」

サ「PARUSの方で受付してますけど、自分はイベント日に参加出来ないので募金だけでも。という方は多いですね。あと、ほとんどの方が1万円の募金をして下さっています」

キ「不思議なんですけど、この活動って興味を持ってくれてる方の忠誠心がすごいですよね」

ソ「みんな俺のがんばる姿を見て、感動してだな…」

森「ハイハイ」

 

お金の使い方については、先にも話したので、基本以下の方針で。

 

☆イベントや返礼品などお金がかかる事の見直し。キャッシュアウトを減らす方策。

☆業者の方へ頼む内容をプロでないと出来ない事に絞り、極力自分たちでやる。

☆募金が無いと活動が維持できない。という仕組みでは無くす。

 

ソ「では、最後。長期ビジョンについて」

森「この1年やってみてなんだけど、たぶん雑木の整備だけなら5年以内に終わると思うんだよね」

ソ「ウソだー。去年1年でどれぐらい出来たの?」

森「こないだ調べてみたら、大体湖畔一周のうちの1/5だった」

ソ「そんなにやったのか…」

森「もちろん、これから更に奥地へ入っていくと、作業は大変になっていくけどね」

ナ「だったら、まずは5年後までに雑木を全滅させる。で、ええんちゃう?」

キ「まずは、スラ〇ムみたいなもんですね」

ソ「雑木全部倒したら、次は何倒すの?」

森「雑木の次は桜の木かな。桜の木でも枯れてるものもあるし、オーナーの許可をもらった上で、伐採する」

サ「あとは、今回のイベントでもやった植樹すればいいんじゃないでしょうか?」

ナ「減らした分だけ、場所が空くから新しく植えるのはアリじゃない」

ソ「じゃあそれでいこう。で、その次は?」

 

………

 

キ「とりあえず10年後まででいいんじゃないですか?先の事は後回しで」

ソ「…そうね」

ということで、10年以内の目標は以下に決定。

 

☆5年後:今ある桜ヶ池の雑木をすべて切り倒す(本数数えて記録していく)

☆10年後:勇者たちの入れ替え、枯れている桜の木を切り倒し新しい桜の木の植樹を完了する

 

10年より先の目標は、それまで活動が続いていれば、改めて立てる事になった。

まずは、残り9年を生き残るべく、戦いを続けていこうと思う。

以上で年間総括を終了する!

 

 

次回

見習い勇者ソーマが、”見習い”はもう嫌だと言い出した。

長老による最終試験を突破し、勇者ソーマになれるのか?